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2009年8月 9日 (日)

線より面・・・

もう8月になってしまって、「今さら」になってしまったが、先日の美術館に行く道中に考えたことを書こうと思う。

「五浦美術館」の最寄駅は「大津港駅」であるが、実はちっとも「最寄り」ではない。美術館のウェブサイトをご覧になれば分かるが、駅からの交通が基本的にタクシーか徒歩しかないのだ。タクシーはもったいない。しかし、徒歩では45分もかかる。

Pa2003631 このあたりは漁港の街で風情があり、素晴らしい景色も多く(写真は8年前)、それに誘われて以前は歩いたこともあったが、道を忘れてしまっている恐れがあるし、情けないことに年を食って気力がなくなってしまった。

この写真を撮った頃は、日立電鉄(現在の日立電鉄交通サービス)の子会社「でんてつオーシャンバス」とJRバス関東の路線がここまで通っていたが(だから行きはそれを使った)、この1~2年後にはなくなってしまった。それで、車を持たない私にとっては「陸の孤島」となってしまい、それまで結構通っていた美術館もご無沙汰となってしまったのだった。

少し前置きが長くなってしまった。実は、「バス路線」はあるにはあるのである。美術館へのアクセスのページをよく見ると、「巡回バス」とある。しかし、「運行日要注意」。私の工場が休みであったとしても、日曜日には行かずに「火曜日」に行ったのは、そこに訳がある。

この巡回バスは北茨城市が運行している。ダイヤを見ると、美術館へ行くバスは、なんと日曜日には1本もなく、平日毎日運行が1本、それに加えて、月・木に1本、火・金は2本。だから、いちばん「便のいい」火曜日を選んだのである。大津港駅火曜日10:30発に乗って行き、美術館13:07発で大津港駅に戻ってこれば、2時間半くらいゆっくり鑑賞できる。果たして、行きも帰りも同じになった方がいらっしゃった。

バスのルートは、日立電鉄のバスが走っていたルート(写真の大津港の方)ではなく、北側の「平潟港」回り。かなり起伏があるルートで、どんなにアクセルを吹かしても、スピードが乗らないくらい非力な、どう考えても相当「お古」なマイクロバスだった。

ルート上に団地がある。病院に行くと思われるお年寄りが何人か乗車してきた。足のお悪そうな方もいて、バスのステップにやっとの思いで昇られていた。日に何本もないような(ある意味二日に1本の)バスであっても、ちゃんと需要はある。でも、問題は「採算性」。

Takenaka-Koizumによる行き過ぎた「規制緩和」により、公共交通の「退出」が楽になってしまったため、これまで何とか命脈をつないできた鉄道やバスが、全国でどんどん廃止になっている。その一方で、どんな財源の裏付けがあるのか分からない、今の政権による「週末どこまでいっても地方道1000円」と、今度の選挙で多分第一党になるであろう民○党の「公約」である「高速道無料」。そして、「フル規格新幹線」(おまけにリニア)。

今年の夏の天候は本当に不順だ。「地球温暖化」が叫ばれて久しいのに、こんな「大渋滞」を引き起こすようなCO2の大排出を促して、どうするのだろう。それに、もう10年もすれば「超高齢化社会」を迎え、車を運転するのが難しい世代が爆発的に増大する。また、「新型インフルエンザ」の疑いがある場合に備えて「発熱相談センター」に電話すると、公共交通機関を使わないように言われるそうだ。車が運転できない人はどうしたら良いのだろう?

既に交通は、「点と点」をどれだけ早く結ぶか、という「線」で考えるべき時代ではない。鉄道とバスの結節を大事にした「面」の広がりを考えるべきで、同じ税金を使うなら、地方の鉄道やバスへの助成を本気で考えないと、地方がどんどん疲弊すると同時に、地球が危ない。

話を戻して、北茨城市の巡回バスについて考えてみた。平潟港の周辺には民宿が多く点在する。大津港の方には、旅館やホテルもある。送迎バスを持っているところも多いだろう。市が日を決めて借り上げて、便数を増やすことはできないのだろうか。車体にはその宿の名前が入っていて、コマーシャルにもなる。ただ、法律が邪魔になりそうで、ダメなのかもしれないが、こういうことを認めるのが、本当の「規制緩和」のはずだ。

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コメント

読んでいてすごく引き込まれました。
本当に今働き盛りの世代が車を運転できなくなった時、どうなるのでしょう。
考えさせられました。
よいしょさんは車を運転されないということで、一歩先の老人に厳しい社会を感じておられるのですね。
今月は選挙です。
しっかり考えたいです。

過分なお褒めの言葉、ありがとうございます。
「高齢化社会」というと「医療費」や「年金」のことばかり話題になりますが、実際のところ、それは一部の問題でしかないのです。

もう「買い物難民」という言葉も生まれています。郊外型の大型スーパーばかりが建って、街の中心部の商店街がどんどんつぶれていく。結果、車の運転のできないお年寄りは、地元で買い物をするのが難しくなる。・・・これでは、お金をいくらもらったとしても、食べるものもままならない、大変な事態なのですよ。

だから、国会議員は高規格道路を造ることを考えるのではなくて、地域に密着した公共交通のあり方を本気で考えなければいけないのです。

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