« ありがとう | トップページ | しあわせって何だっけ・・・ »

2009年10月25日 (日)

「チャレンジド」その2-サウンドトラック・インプレッション

NHKドラマ「チャレンジド」が第3話まで進んだ。確かに全5話という短いシリーズで、盲目となった主人公教師が、自身や生徒の障害、同僚の不理解、生徒の家族のDV、次回は「いじめ」などの困難に立ち向かって乗り越えていくストーリーは、少々「ご都合主義」な展開と言えなくもない。

しかし、「障害」というテーマを扱う以上、あまり長いシリーズにすると、それだけ「重い」ものとなってしまったり、必要以上に盛り上げたりしがちであるので、これくらいでちょうど良いのだと思う。ここで描かれなかった主人公たちの葛藤などは、全て説明する必要はない。そこは視聴者の「想像」に任せれば良いのである。そういうことを想像し、各自が膨らませれば、新たな感動が生まれる。

ところで先日16日に、MOKA☆さんによる、このドラマのサウンドトラックが発売された。私は、MOKA☆さんの所属する「パクチーズ」の通販で、これを購入した。先日の記事でも触れたように、全5話という短いシリーズながら、総演奏時間約1時間にも及ぶ労作だ。さっそく携帯のメモリカードにもダビングして、ヘビー・ローテーションで聴いている。長くなるが、それぞれの曲のインプレッションを一言(??)で書いてみようと思う。

0.全体のインプレッション

 とにかく「明るくない」ところが良い。劇中では目立ち過ぎず、そうかといって要所は締めている。取り扱うテーマが重ければ重いほど、無理に明るくしようとしたり、必要以上に盛り上げようとしたりする劇伴が多い中、そこをあえて抑えているのが、私には好感が持てた。

1.チャレンジド
 全体を統べるテーマだけに、他の多くの曲の元となる旋律ではあるが、ドラマの舞台となる静岡を見下ろす富士の雄大さ、また富士がやさしく見守るような印象を受ける。明るい感じでなく、暗めの曲調が、単純な「感動ドラマ」ではなく、障害者をとりまく現実の厳しさを暗示している。

2.試練
 ひたひたと前からも後ろからも迫ってくる、逃れられない緊張感。

3.遥かなる光へ
 リコーダーの音色が飛翔感を盛り上げる。舞い上がる希望と憧れ。

4.昔はものを思わざりけり
 美しいMOKA☆さんのハーモニー。「祈り」というより「子守唄」。「神」・「母」・「妻」などが「見守る」視線を感じる。むろん、「教師」が生徒を見守る視線も。人は自分以外の人への気遣いをしなければ、確かに「ものは思わざる」ものなのである。

5.それは唐突に・・・
 募る不安感。内省。苦しさ。

6.ファイト!
 鼓舞。「空回り」をもいとわない元気。しかし、聴きようによっては、1.のテーマが元になっているだけに弱い部分を押し隠そうとする「危うさ」も感じる。

7.壁
 まさに見えない「壁」を前に途方に暮れた感じ。ところどころ途切れる旋律が、不安感をあおる。

8.停滞
 雌伏の時。手探りで光を探す感じ。しかし、次第に走り出す旋律がその先への希望を暗示する。

9.走れ!
 この曲がいちばん「難しかった」。ただ、徐々に曲調とリズムが明るさを増していくので、背中をそっと押してあげるくらいの「走れ!」の意味か。

10.デリカシー
 葛藤。この曲も「難しかった」。誰にとっての「デリカシー」?

11.辿りついた景色
 目の前に広がる雄大な地平。

12.前途多難
 焦燥感。不安。苦悩。

13.静かな決意
 タイトル通り、ゆっくりと確実に前へと向かおうとする意志。

14.雨のベンチ
 タイトルのように、いるべきところに人がいない孤独感。助けを求められない苦しさ。

15.ドンマイ!
 元気復活!6.と同じ旋律なのに、違うのは空回りや危なっかしさがないところ。大地を力強く踏みしめる。オーボエ(?)やリコーダーがないだけでこんなに違うのか。

16.暗闇で
 重い空気。7.のように途切れる旋律がそれをあおる。

17.SAILIN'
 3.と同じ旋律でありながら、違うのは、タイトル通り帆を張って海を進み、しかも目標が定まっている感じ。

18.真実の翼
 4.よりコーラスが控えめになっているところが、見守られる側の視点に立っていることを感じさせる。見守られている安心感や、それによって踏み出せる意志。

19.迷路
 出口が見えそうで見えない緊迫感。人間の影の部分、陰湿さも。

20.扉を開けて
 空気を変えましょう。本当はドラマの冒頭のタイトルバックの曲なのだが(つまりは「物語の扉を開けましょう」)、サウンドトラック中ではこのように聞こえる。

21.ゴールはスタート
 先は長く本当の苦難はこれからだが、それでもこれまでの苦悩が良い「思い出」になっていく。1.と異なるのは芽生え始めた自信と、今までよりもしっかりとした足取り。

以上、全21曲。「タイトル」にも非常に「こだわり」が見え隠れしていて、今回その真意を探るのも面白かった。

実際のドラマでは、このこれらのほんの数秒しか流れない。しかも話数も限られているから、ほんの数回程度しか使われない曲も多いだろう。非常にもったいないような気がする。ドラマを見ている人は(いない人も)ぜひ購入して、その全体像をつかんで頂きたい。

MOKA☆さん、いろいろ大変なことも多かったようですが、本当にお疲れ様でした。

« ありがとう | トップページ | しあわせって何だっけ・・・ »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/515702/46575356

この記事へのトラックバック一覧です: 「チャレンジド」その2-サウンドトラック・インプレッション:

« ありがとう | トップページ | しあわせって何だっけ・・・ »

無料ブログはココログ

最近のトラックバック