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2010年3月 7日 (日)

人間模様と間(ま)

このブログにもパーツが張ってあるが、私はアニメ「クロス×ゲーム」が結構好きである。昔から「あだち充」の漫画やそれを原作としたアニメが好きだったので(おかげで10万もする「タッチ」のDVD-BOXまで買った(げほっ(吐血))、そういう流れからでもある。

しかし、例のごとく高校野球の「特待生制度」という「暗部」を描いていた前半をほとんど見ていない。作り事の世界で、あだちの世界は基本的に「完全悪」は登場せず、ハッピーエンドが約束されているとは言え、私はどうしても、そうしたものを避ける傾向がある。全部自分に引き寄せてしまって、いたたまれなくなってしまうからだ。

原作を読んでいないので、どのあたりまで進んでいるのか分からないが、今日の話数が地区大会決勝の直前で、しかも今は3月。恐らく原作もアニメも同時に今月いっぱいで終わるのだろう。「タッチ」の時のように、高校野球は好きなのに甲子園は省く、という、あだち独特の手法だ。

あだちの紡ぐ物語の「方程式」は、基本的に「三角関係」。確かに「クロス×ゲーム」の軸は、「光」と「若葉(故人)」と「青葉」の三角関係。ただ今回は、そこに「赤石」と「東」、そして若葉によく似た「あかね」が加わって、関係が複雑化している。

それでもやっぱり「三角関係」は変わらないと思う。それが重層化していると言って良い。第1層が「光-若葉-青葉」で、第2層が「光-若葉-赤石」、そして彼らが高校生になってからの第3層が「光-青葉-東」となる。

そしてあかねが引っ越してきて、第4層が「光-若葉-あかね」、第5層が変則的な「赤石-若葉-あかね」、第6層が「光-あかね-赤石」、そして最上段の第7層が「光-あかね-青葉」となるのである。何か抜けているような気がするし、第5層以降はどちらが上かよく分からないところもあるが、数学のnCnの組み合わせが折り重なっているのだ。

でも、前回と今回の話を見ていると、もう光と青葉の胸の内では「決着」がついている模様だ。ただ、二人は小さい時から喧嘩ばかりしていたこともあって素直になれない。しかも今回の光の「ウソがうまいんだ」というセリフと、「若葉はもうお前(青葉)を泣かせやしないよ」というセリフの間は、どう解釈したらよいのか、視聴者は最後まで判断に迷うのである。そして忘れてならないのは、例外はあってもあだちは基本的に「結論」を描かない作家だということ。

それにしても、先の二つのセリフを含めて、あだち作品に出てくる高校生のセリフは、とても「高校生」の言う言葉ではないほど「大人」だ。本当の大人よりも大人だ。しかも、極端にセリフが少なく、短いのである。試しにTVの字幕機能を使ったら、そのことが一目瞭然だった。台本は本当に白いだろう。

考えてみれば、人はそんなに「渡鬼」のような長ゼリフを発するような会話などしないはずだ。ましてや何かのアニメのように、戦っている最中なんか(笑)。ただ、独特の「間(ま)」を持っているので、その短い一言一言が、長ゼリフに相当するほどの重みを持っていて、たった一言の「あっ」を聞き逃しただけで、話の流れが分からなくなってしまう。

こうした「間」というものは、TVでは絶滅した。アニメでは説明的なセリフが多い。また、製作費のかかっていないような「バラエティ番組」はひどい。とにかく出演者の頭数だけをそろえて、のべつだらだらと、しかもどうでもよいことばかりしゃべっている。それが影響してか、現実世界でも同様なことが言える。私のブログもそうか。。。

日曜日の朝のこの時間にやるには、少しもったいないようなアニメだ。ただ、以前の「H2」のように夜にやるような編成も難しくなりつつある。視聴率はどれくらい取れているかどうかは分からないが、それを多分、度外視しているのだろう。最終回はすでに出来上がっているのだろうが、最後まで、人間模様と間を大事にする「良心」を保っていって欲しいと思うし、他の作品にも影響を与えていって欲しいと切に願う。

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