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2012年2月25日 (土)

読書メモ:飛鳥井千砂「アシンメトリー」

飛鳥井千砂著「アシンメトリー」(角川書店2009/角川文庫2011)を読んだ。

なんだろう、この読後感の「不安定さ」は。題名の「アシンメトリー(asymmetry)」とは、「非対称」という意味だそうだが、まさにそれを体現したかのようだった。

「たいしょう」という日本語には、3通りの漢字がある。「対象(object)」と「対照(contrast)」と、題名の反対語である「対称(symmetry)」。飛鳥井氏は、「非対称」という題名に、これらの同音異義語をひっかけているように思える。

堅実な朋美に、自由奔放な紗雪。穏やかな治樹に、直情径行な貴人。これらは見事な「対照」を見せる。

しかし、この4人の恋愛模様は「対象」がそれぞれ違う。朋美は最初は治樹に、のちに貴人へ。紗雪は治樹へ。治樹はゲイ。貴人は、紗雪が治樹と結婚して朋美と付き合い始めてからも、紗雪への思いが止められない。

この4人の性格の「対照」性と交錯する恋愛の「対象」の違いが、きれいな「対称」とはならず「非対称」となっていることが、この物語のミソだと思う。

少し腑に落ちない点は、朋美が急にたくましくなってしまうところだ。きっかけが良く分からないのは、自分がまだ読み込んでいないせいかもしれない。

2作品しか読んでいないが、氏の作品の特徴は、初め淡々と物語が進むが(少々退屈ではある)、知らず知らずのうちに加速度的に読者を作品世界にのめり込ませる作風にあるように思える。売れているという「タイニー・タイニー・ハッピー」はどうだろうか。今度読んでみようと思う。

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