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2012年3月18日 (日)

読書メモ:栗原美和子「これが乙子の生きる道」

栗原美和子著「これが乙子の生きる道」(ポプラ文庫2012)を読んだ。

乙子(おとこ)は男性雑誌の編集者。担当する雑誌の企画「こだわりの男」で、15年ほど前に一世を風靡したが今は落ちぶれてしまった芸人「ツーテン権太」を取り上げた。企画は成功し、それをきっかけに権太は次第に芸能界の表舞台に復帰していくが、弟子の戸田から、権太は売れなかった時期に「うつ」になり、今は快復期にあるが不安定な状態なので、「カウンセラー」になってほしいと頼まれる。乙子は特に権太に対して何とも思っていなかったはずが、それに付き合っているうちに次第に権太と半同棲状態になってしまう。そうしているうちにも、権太はどんどん人気が回復するが、乙子の方は、後輩に出し抜かれたりして仕事がうまくいかなくなる。そのイライラを乙子は権太にぶつけてしまい・・・

乙子は、常に自分を武装している女性である。隙を見せないように我を張っている。それを象徴するのが彼女が履く13cmのハイヒール。しかし、権太とかかわっていくうちに、その武装にひびが入っていくのである。新調するたびに傷がついてしまうハイヒールがそれを象徴する。

権太のことをカウンセリングしているはずが、実は乙子の方がカウンセリングされていたのだと思う。でもそれに気づきだしてから、乙子はそれを認めたくなくて、権太とぶつかってしまい、別れてしまった。

物語の終盤、乙子は独立した元上司が権太を取材したインタビューテープを聴き、権太が自分のことを自分を変えてくれた「えぇ女」と思っていたことを知る。それをきっかけに、乙子は自分の「武装」を解くことができたのである。

この二人が、もう一度よりを戻したかどうかは、分からない。ただ、すぐには結婚したりはせず、またしばらくはだらだらと半同棲状態が続くのではないかと想像する。

この小説は元々「うつ恋」という題名で発表されていたものを改作してできたものだそうである。「うつ恋」がどんな話であったのかは分からないが、権太の視点からこの「恋」を描いた話も読んでみたい。

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